30代正社員への転職5つのハードル【第2回】実務経験の壁
30代から正社員を目指した時、大まかに5つのハードルがあります。
①年齢
②実務経験⇒今回のテーマです
③性別
④資格の有無
⑤雇用形態
これらを全5回に分けて紹介します。
第2回の今回は【②実務経験の壁】に関して紹介します。
それでは早速いってみましょう。
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目次
1、30代で一番見られるのは実務経験
2、『未経験OK』となっていても経験者が優先される
3、未経験の職種への転職を希望する場合はこじつける
4、派遣社員に対する誤解
5、まとめ
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30代で一番見られるのは実務経験
『未経験職種ですけど、30代から採用して貰えますかね?』
『いきなり正社員は難しいんで、派遣で経験を積んでから正社員に応募しようかと考えています』
この様な話をよく聞きます。特に事務系の職業を考えている人達からこの手の相談をされる事が多いです。
結論から申し上げますと、
【30代の未経験からでも採用して貰えます】ただし、【ハードルはかなり高い事を知っておいてください】
という事です。
こちらの記事(30代正社員への転職5つのハードル【第1回】年齢の壁)の中でも軽く紹介しましたが、30代に求められている事は、基本的に即戦力です。
もちろん、最低限の研修は有りますが一から手取り足取りというわけでは無く、かなり早い段階から一線で活躍して貰えることを想定して、企業側は採用をします。
ですが、中には『定年までしっかり働いて貰いたいから、30代の未経験者であっても、学習意欲の高い方なら採用しますよ』という企業もあります。
要は、このような企業の求人案件を見つけることが出来るかどうかがカギになるのです。
転職サイトでもハローワークでも求人誌でもいいです。マメに求人情報をチェックしていると、この様な案件は意外とありますよ。
それも、実は有名企業よりも、パッと見『全然聞いたこと無い。従業員規模も小さいし大丈夫かな?』くらいに見える企業の中にあったりします。
人材紹介会社のキャリアアドバイザーとマメに連絡を取り合う事で、このような情報を取得しましょう。
ただし、全体の傾向としていえるのは【実務経験の有無】というものが、30代(以上)の転職市場においては最重要視されているということです。
『未経験OK』となっていても経験者が優先される
転職サイトを見ていると、
『未経験者大歓迎!』『実務経験無しでもOKです!』
というような表記を見る事があります。すると、
『おっ、未経験OKか。これなら採用してもらえるかも!』と突撃した結果、撃沈。
転職エージェントである私の経験上、こういう場合は【経験者】が採用されています。
転職サイトに掲載されている『未経験者大歓迎』の記載は、私が言うのもなんですが話半分に受け取った方が良いです。
この表記方法はいわゆる保険です。
企業側は経験者を求めています。ですが、これは新卒採用でも言えることですが応募者は基本的に大手・有名企業志向が強いです。
転職サイトに掲載してもほとんど応募者が集まらない求人も有ります。酷い時はリアルに応募者0人という事態もあるくらいです。大げさでも何でもありませんからね。
転職サイトの場合、発生するのは掲載料です。つまり、採用が上手くいかなくても料金だけは支払わなければいけません。
すると、転職サイト側としては【応募者0人】というのは何としても回避したいわけです。応募者すらいないようでは、今後、掲載して貰えない可能性がありますから。
ということで、『人を集めるのに苦労しそうだなぁ』と感じる案件の場合、担当営業が
『より多くの人達と出会うために【未経験大歓迎】と記載しましょう』と提案するのです。
すると、掲載してもどれだけ応募者が詰まるかどうかを心配している企業側の担当者は、それを承諾します。
【未経験者大歓迎】の実態は、多くがこのパターンといっていいです。
その中で、経験者が運良く応募して来れば経験者を採用、応募者がいなければ未経験者を採用という流れになります。
あくまでも実務経験のある人間が優先されるという事を知っておいてください。
未経験の職種への転職を希望する場合はこじつける
30代の正社員採用が即戦力採用前提である以上、あなたはそれをまずは書類で示さなければいけません。
経験職種であれば問題ないでしょう。しかし、そうでない場合は如何にその職種と関連性があるかのように見せるかが重要です。
別の言い方をすると、如何にこじつけるか?ということです。
例えば、「今まで営業職しかやったことが無い人が事務職に就きたい」というケースがあったとします。
事務職の場合、Word、Excel、PowerpointといったMSのスキルが求められると思います。その場合、営業職であれば営業資料を作成する際に、前述のソフトを高確率で仕様していると思います。
その事を職務経歴書に細かく書くのです。「関数はどのようなものを使用出来るか?」「マクロをゼロから作り上げた経験がある」というようなことを書きます。出来るだけ細かく、かつ分かり易く書きます。
そうすることで、書類選考を通過する確率を少しでも高めます。
これはとても大事なことなのですが、職務経歴書は1回で書き切ろうと思わないでください。何回も書き直します。それも応募する企業ごとに書き変えるのが理想です。
どのような人物を企業側が求めているのか?
その情報を読み取って、職務経歴書の職務経験を毎回書き直します。大幅に修正するというよりは、微調整に近いですね。
対人スキルを求められる仕事であればそれに関する職務経験を、PCスキルを求められる仕事であればそれに関する職務経験を、厚めに書くという事です。
『めんどうそうだな』と思いましたよね?
ハッキリ言って面倒です。だからこそみなさんやらないんです。ですから、やりましょう?みんなやらないことをやれば、ライバルを1歩リードすることが出来ますから。
『それでもよくわからない』という方は、人材紹介会社のキャリアアドバイザーに相談してみてください。履歴書や職務経歴書の添削も、キャリアアドバイザーの仕事ですから、どんどん相談すればいいんですよ。
当サイトでたびたび紹介していますが、書類選考を通過して面接まで行けるのはだいたい1割くらいと思って頂ければ良いです。
特に、30代フリーターや派遣社員から正社員を目指す場合、面接までいける確率が下がる可能性すらあります。
ですから、『9割は書類で落ちるという事』を理解して、落選を恐れずにガンガン攻める気持ちを忘れないでください。
派遣社員に対する誤解
最後にもうひとつ、多くの方が誤解している派遣社員に関して紹介したいと思います。
『いきなり正社員は難しいんで、派遣で経験を積んでから正社員に応募しようかと考えています』
今回の記事の前半で紹介した内容です。よくこの手の話を聞きます。これは誤った認識です。
『派遣なら簡単になれるでしょ』という一種の思い込みから来ている考え方でしょう。
なぜ誤った認識と言えるのか?
それは、派遣社員というのは大前提として、即戦力が求められるからです。
なにしろ有期雇用契約ですから、そもそも論として、正社員のように育てるという概念がありません。
いきなり戦力になってもらわないと困るわけです。
という事で、
『派遣で経験を積んでから、、、』というような事を考えているなら、同時に正社員の案件に応募した方が良いですからね。
「職務経験を積んでから正社員に転職」という考え方もあるのですが、派遣社員に求めるものは即戦力であるということを考えた場合、そのハードルは高いといわざる負えません。
その場合でも結局、未経験でも就業させて貰える職場を根気強く探す必要がある事を覚悟してください。
変な話ですが、本来は特定の仕事のスペシャリストであるはずの派遣という働き方が、最近は人件費削減の為に活用されるケースが増えてきました。ですから、根気強く探せば、未経験でも受け入れてくれる企業があるのも事実です。
仮に『派遣社員で経験を積んでから正社員転職』と考えている場合、派遣会社に登録して派遣コーディネーターに毎日連絡して、『未経験でも就業させて貰える案件が入っていないか?』ということをマメに確認する作業が効果的です。
どのようなやり取りを行うかについては、こちらの記事にまとめてあるので、よろしければください。
まとめ
今回のまとめです。
●30代で一番見られるのは実務経験
●募集職種の経験が無い場合は、それに近い経験の職務内容をひねり出して、職務経歴書に記載すること
●職務経歴書は応募する企業ごとに微調整するのが大事
●「派遣社員」というのは即戦力。従って『派遣で経験を積んでから正社員へ転職を考える』というのは、実はかなりハードルが高い事を理解する。それをする場合、正社員の求人にも同時に応募することを忘れてはいけない
今回は以上です。
ご覧頂き、ありがとうございました。
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